その12 静岡剣誠会(葵区沓谷)
静岡市立千代田小学校体育館で活動する「静岡剣誠会」の紹介です。ここ数年で会員数が激増している「剣誠会」。20人ほどの小中学生と30人を超える一般剣士が明るく和気あいあいと稽古に励みます。道場訪問記第12弾は、団体の枠を越えて多くの剣士が集まる「静岡剣誠会」の魅力に迫ります。
昭和48年、故小山芳朗氏が自宅の庭先で近所の小学生数人に剣道の指導を始めたことが剣誠会の起源です。昭和50年頃から千代田小学校体育館で毎週日曜日の午前中に稽古を始め「静岡剣誠会」として正式に創立、以来毎週日曜日の稽古は脈々と受け継がれ現在に至ります。現在の師範は金田紳一郎教士七段、木村博錬士七段のお二人。小学生から一般愛好家、教士七段の高段者までさまざまな剣道好きの皆さんが参加しています。
稽古は2部構成で、前半の1部が小中学生、後半の2部が一般の皆さんです。小中学生は9時スタート。入門間もない低学年から防具を着けて数年の高学年まで、経験年数の違う生徒さんが十数名となりますので2~3のグループに分かれて稽古をしています。
指導は金田先生、木村先生を始め、四~五段クラスの一般の皆さんがあたっています。初心者グループは足さばきと素振り・打ち込みを徹底的に、上級者クラスは面を着けて切り返しや打ち込みなどの基本技を回り稽古です。週に一度の稽古で参加者の学年や経験年数も様々ということもあり稽古内容は基本が主体ですが、その分時間をかけ丁寧に取り組んでおられました。
1部の稽古が終わる10時半ころになると、2部の一般の皆さんが集まってきます。最初の30分は木刀の稽古です。「日本剣道形」「木刀による剣道基本技稽古法」を熱心に稽古されていました。その後は面を着けての回り稽古です。
この日の参加者は30人ほど。体育館の長辺いっぱいになるほどの参加者で市民稽古会レベルの盛大な稽古となりました。最初の2回は全員で切り返しをしますが、その後は「申告制」の稽古方式です。相手を替えながら10回程度稽古するのですが、相手を替えるたびに自分のやりたい技を相手に伝え、申し合せで稽古します。ある人は10本すべてを切り返し、ある人は相手に面を打ってもらい応じ技、ある人は掛かり稽古など、それぞれがテーマを持って稽古するところが非常にユニークです。技の稽古の後は同様に回り稽古形式で2分の地稽古を7本。小休止を挟んで自由稽古と移り12時にすべて終了となりました。
参加者の皆さんの中には正式な所属が別の団体という方も大勢いらっしゃって、剣誠会での稽古がそのまま団体間の交流にもなっています。また、日曜日の午前中という時間帯も仕事を持つ一般剣士にとっては稽古に参加しやすい環境と言えるでしょう。敷居が低く、どんな訪問者でも温かく迎える剣誠会独特の雰囲気に惹かれ、毎週50人を超す大稽古会になっているものと思いました。
取材の終わりに金田先生が話してくれた言葉が印象的でした。「剣誠会には退会というものがない。仕事や家庭の事情で一旦剣道から離れたとしても、都合がつくようになったらまたいつでも戻ってきてほしい。一度剣誠会に入門したら生涯仲間としてお付き合いさせていただいている。」この言葉に剣誠会の魅力が集約されている気がしました。
稽古以外でも、静岡市剣道連盟主催の大会や審査会で審判員や係員として多大なご協力をいただいている剣誠会の皆さん。静岡市の剣道界発展のため今後も大きな役割を担ってくれるものと期待されています。
【平成29年9月17日(日)取材 】
教室データ
稽古場所 | 静岡市立千代田小学校 |
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稽古日 | 日曜日 9時00分~12時00分 |
入会金 | 無料 |
会費 | 協力金として一家庭につき年間2,000円 |
問合せ先 | 262-1009(代表 金田紳一郎) |
ホームページ | https://www.c-sqr.net/c/cs35954/ |
静岡市剣道連盟
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