道場訪問記

その29 大剣会(駿河区大谷)

今回紹介するのは鈴与杯少年剣道大会を始め、各種大会で好成績を収め、県内外でも活躍、白道着・白胴が目印の「大剣会」です。
「大剣会」は、昭和49年4月に大谷スポーツ少年団の一部門から始まり、小中学生を中心に現在約60名の剣士が日々稽古に励んでいます。静岡市剣道連盟理事の佐藤孝志先生(教士七段)を中心に、静岡市大谷小学校体育館と通称「宮川道場」で活動しています。

 「大剣会」の特徴は、なんといっても稽古日が充実していること。

 小学生初心者の部「3部」、面をつけたばかりの小学生の部「2部」は、火・木・土の18:00~19:00、小学生高学年の部「1部」は、月・火・水・木・土19:00~21:00と、実に週に5日の稽古行っております。また、週末には市内外への試合遠征等積極的に活動をしています。

 今回は、「静岡市立大谷小学校体育館」での木曜日の稽古と、昨年11月に完成したばかり、杉の木の香り漂う「宮川道場」での稽古の取材に伺いました。

 木曜日、18時30分大谷小学校に伺うと、防具をつける前の幼稚園生、小学1.2年生の子どもたちが、「メーンメーン」と大きな声で佐藤先生の竹刀に打ち込んでいます。長身の佐藤先生は竹刀を子どもの視線に合わせて、一人一人に「左足が前に出ないように、歩き足にならないように」と、ゆっくり、丁寧に切り返しを受けています。体育館を大きく使っての打ち込み、上級生が元に立って連続の打ち込みをしていきます。

 19時になると1部の上級生のクラス。キャプテンの櫻田君の号令で体操、素振りが行われます。

 その後、整列「面付け」の号令に「ハイ」と一斉に面をつけて稽古が始まります。面の打ち込みは「一拍子で打つ」。

 小さく面打ち、小手打ち、小手面、胴打ち、小手から胴と、様々な打ち込みが繰り返されます。「試合の一場面を切り取った状況を作らないと!」との声。ただの打ち込みではなく、機会を捉えてることを意識させての指導。追い込みでは体育館をいっぱいにつかって、面打ち、小手打ち、小手面胴面面と多彩な連続技。あちこちで「ハァハァ」と息が上がっています。小刻みに足を運びながらの連続打ち、実に10往復!!

 19時30分、水分補給をすると、今度は佐藤先生を始め、有段者の大人が元立ちに地稽古が始まります。親子で通っている方も多く、お父さんが元に立ち、子どもたちは一斉にかかっていきます。県の代表選手も選出しているだけあり、非常に迫力ある稽古が繰り広げられました。

 これまで大谷小学校体育館を拠点に活動を続けてきましたが、昨年11月、大剣会の新たな専用道場が完成しました。佐藤孝志先生のご自宅隣にあった貯蔵庫小屋を改装した通称「宮川道場」です。

 今回取材を通じ初めて伺わせていただいたのですが、杉の香りが一面に広がり、肌触りの良い床が張られ、非常に気持ちの良い道場です。

 18時から3部のクラスが始まります。体操、ストレッチから始まり、佐藤先生の「前・前・後・後・右・左」とすり足の練習。道場をいっぱいに使っての踏み込み。すると、新しい床を足の裏で感じるのでしょう、子どもたちからは「気持ち~~気持ちい~~」との声が次々に上がります。実に楽しそうに、そして気持ちよさそうに新しい床を味わいながら稽古に取り組んでいます。

 相手を見て「礼」、竹刀の構え方、蹲踞、立ち方、竹刀の扱い方、動作の一つ一つを言葉に、剣道における大切な所作をきちんと丁寧に指導していました。最後は打ち込みの稽古、「50本に挑戦」というと、子どもたちからは「もっとやりたい」との声。佐藤先生はいつのまにか子どもたちのやる気スイッチを押していました。

 19時からは小学生高学年の1部から、中学生、高校生から一般までの稽古です。

 最初にタイヤの登場。道場の隅にあるタイヤ8つを中央に移動し、先端がビニールテープで巻かれたタイヤ打ち込み用の竹刀で各自次々とタイヤに向かって打ち込みが始まります。次にタイヤ8つの連続打ち。流れるように次々と打ち込み続けます。

 体育館に比べて狭い道場ですが、創意工夫しながら非常に密度の濃い稽古が繰り返されます。相面からの面返し胴、相小手面、面摺り上げ面、小手返し面、と多彩な技の稽古が続きます。そして休むことなく掛稽古10秒を10本!「ファイト!!」と周りから掛け声もかかります。「厳しい稽古を通じて困難に負けない強い心を育てます」とあるように、かなりハードなメニューが続きました。

 最後は、大人たちが元に立っての地稽古、生徒は次々とお願いしますと地稽古が始まり、21時までみっちりと続きます。

 このような日々の稽古を積み重ね、大剣会の子どもたちが試合で活躍する一方、一般の方々も市民大会を始め各種大会に参加するなど、目標をもって取り組んでいます。

 常に稽古ができる環境をと、自宅隣に道場を構え、ほぼ毎日剣道を指導している佐藤先生。ブログを拝見すれば、日々の活動状況も頻繁にUPされており、日々の成長を垣間見ることができます。

最後に、

「大剣会は、礼節を学び、他者を思いやる優しい心を育てます。」

「厳しい稽古を通じて、困難に負けない強い心を育てます。」

創立時からの基本姿勢は、「剣道精神の習得」と「基本に忠実な実技指導」。

これまでに300人以上の豆剣士が巣立った他、現在もOB・OGの中高生、一般社会人が学校や仕事を終えてから集まり、厳しい中でも和気藹々と稽古に取り組んでいます。大剣会では、年齢・性別・経験を問わず、剣道で自分磨きをしようとする仲間を常時募集中です。

まずはメールかお電話でお問い合わせください。 

HPより抜粋

教室データ

稽古場所 静岡市立大谷小学校体育館(木曜日) 宮川道場(静岡市駿河区大谷1424-6)(月・火・水・土曜日)
稽古日 小学生初心者:火、木、土曜日 18時00分~19時00分
小学生上級者・中学生:月、火、水、木、土曜日 19時00分~21時00分
入会金 無料
会費 小学生初心者:500円/月 小学生上級者:2,000円/月  中学生:1,500円/月
問合せ先 佐藤孝志 054-236-1530 (いちご園 三軒屋)
ホームページ http://sangenya.jp/daiken/
ブログ http://sangenya.cocolog-wbs.com/blog/cat20761890/index.html
Eメール kendo@sangenya.jp
静岡市剣道連盟
▲ページの上へ