道場訪問記

その23 水鴎流本部碧雲館道場 剣道(清水区袖師町)

創始以来400年以上の歴史と世界各地に支部を持つ総合武術の総本山「水鴎流本部碧雲館道場」。清水東高在学中に静岡県の個人チャンピオンにもなったことがある勝瀬善光先生と息子の文孝先生の指導の下、剣道の稽古にも熱が入ります。小学生から一般まで、幅広い年代が同じメニューで和気あいあいと稽古に励んでいます。

水鴎流本部碧雲館は、清水区袖師町に道場を構える居合剣法、薙刀術、杖術、小具足などが伝わる総合武術の総本部です。戦国時代末期(1577~1665年)に「三間与一左衛門景延(みまよいちざえもんかげのぶ)」が創始した武術で、現在は十五代宗家として勝瀬善光先生(剣道教士七段・居合道教士七段・杖道六段)が指導にあたられています。

前回の居合道・杖道に続き、今回は剣道の稽古を取材させていただきました。剣道の稽古は毎週木曜日と土曜日の2回、小学生から一般まで約30人が在籍しています。この日は小学生が6人、中高生が5人、一般の方が5人での稽古でした。

稽古は居合道と同様に善光先生の息子の文孝先生が仕切ります。体操と素振りを終えるとすぐに全員面を着けて切り返しから始めます。道場のスペースが限られているため、まずは小学生から始められました。6人で回りながら切り返しと基本技を数本。その後掛かり稽古に移りましたが、この稽古がなかなか激しいもので皆早々に息が上がります。トータルで十数本やったところで一旦面を外して小休止が入りました。休息中の小学生たちに「なかなかハードな稽古だね。」と声をかけましたが、満面の笑顔で返してくれました。皆さん、剣道が大好きなようでした。

中高生も同じように運動量の多い打ち込み稽古を数分やった後、文孝先生を始めとする一般の有段者が元立ちになり小中高生と地稽古という流れで進められました。一般同士の互角稽古では、実力派の先生方による重厚感ある激しく厳しい稽古が展開されていました。

宗家の勝瀬善光先生の方針で、ここ数年小学生は団体戦も個人戦も大会には出場していないそうですが、級位や段位の審査には積極的に挑戦しています。また、剣道と並行して居合道や杖道の稽古に参加する小中学生もいて、我々が一般的にイメージしている「剣道を習う」というスタイルというよりは、「剣道も含めた武術全般を学んでいる」という印象を受けました。

前回取材した居合道・杖道の稽古と同様に碧雲館の稽古には常に笑顔があります。個別のアドバイス・指導の場面ではポイントを的確にとらえた鋭い指摘がなされますが、全体的には気さくで陽気な稽古環境が作りだされています。これは、善光・文孝両先生の人柄が反映されているものです。400年続く宗家の重みと親しみやすく入門しやすい稽古環境。この良い意味でのギャップが碧雲館の最大の魅力なのかもしれません。

【平成31年3月16日(土)取材 】

教室データ

稽古場所 水鴎流本部碧雲館道場(静岡市清水区袖師町1402)
稽古日 水曜日 19時~
土曜日 19時~
問合せ先 054-366-2158(勝瀬善光)
ホームページ http://www.suiouryu-hekiunkan.net/
静岡市剣道連盟
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