道場訪問記

その22 水鴎流本部碧雲館道場 居合道・杖道(清水区袖師町)

創始以来400年以上の歴史と世界各地に支部を持つ総合武術の総本山「水鴎流本部碧雲館道場」。15代当主の勝瀬善光先生と息子の文孝先生の指導の下、居合剣法、薙刀術、杖術、小具足などの稽古に熱心に取り組んでいます。もちろん、古流だけでなく全剣連制定居合の稽古も充実。門下生の皆さんは、大会や段級位審査で優秀な成績を収めています。

水鴎流本部碧雲館は、清水区袖師町に道場を構える居合剣法、薙刀術、杖術、小具足などが伝わる総合武術の総本部です。戦国時代末期(1577~1665年)に「三間与一左衛門景延(みまよいちざえもんかげのぶ)」が創始した武術で、現在は十五代宗家として勝瀬善光先生(剣道教士七段・居合道教士七段・杖道六段)が指導にあたられています。

県内は島田、藤枝、沼津、松崎、浜松、県外では東京、神奈川、千葉、山梨、滋賀、海外ではアメリカ、ブラジル、イギリス、フランス、フィンランドなどに支部があり、門下生は日本国内に1,000人、海外に800人とも言われています。そんな歴史と伝統のある道場の訪問は初めてでしたが、恐れ知らずの取材班は火曜日の居合道と杖道の稽古にお邪魔して取材をさせていただきました。

19時過ぎに居合道の稽古が始まりました。30畳ほどの広さの道場で小学生から一般まで15人が参加されておりました。稽古内容としては、全剣連の制定居合を中心に生徒の皆さんが各自のペースで取り組まれていました。道場のスペースが限られるため、一度に全員での稽古はできません。3人程度が一人一本ずつ交代で打つ形で稽古が進められていきます。

指導は十五代当主の息子さんで、居合道教士八段の勝瀬文孝先生が当たられています。生徒さんたちの技と技の間でポイントを端的にアドバイスしていきます。その後、杖道と水鴎流の組居合、古武術の演武を披露していただきました。特に古武術の鎖鎌の演武は、鎖が相手の刀や首に巻き付く技もあり迫力満点でした。

今回、全体の稽古を拝見して印象に残ったことは、道場内の雰囲気がとても明るいということです。稽古中には先生にも生徒さんにも笑顔が見られます。歴史と伝統ある宗家の稽古ですから厳粛な雰囲気を想像していましたが、時折冗談も飛び交う中での稽古は非常にリラックスしており良い意味でのギャップを感じました。「稽古の雰囲気が明るいですね。」という問いに対し、善光先生は、「そうだよ。うちはそういうところ。」とサラリ。それでも、400年以上続く宗家としての重責については、「伝承の通り指導していくことに加えて、やはり良くして次に引き継いでいきたい。」とも話してくれました。

毎年10月には藤枝市民体育館で水鴎流の主催大会「水鴎流古伝武道大会」を開催し、各地から数多くの剣士が集まります。古流居合という枠組みではあるものの、世界中に支部をもつ流派の宗家が静岡市内に存在するということは、静岡市剣道連盟にとって大きな宝であり大切にしていかなければならないものだと感じました。

なお、水鴎流本部碧雲館では、居合道の他に週に2回剣道の稽古もあります。次回は剣道の取材を予定しております。

 

【平成31年3月5日(火)取材 】

 

教室データ

稽古場所 水鴎流本部碧雲館道場(静岡市清水区袖師町1402)
稽古日 火曜日 19時~
木曜日 19時~
問合せ先 054-366-2158(勝瀬善光)
ホームページ http://www.suiouryu-hekiunkan.net/
静岡市剣道連盟
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