道場訪問記

その27 新運館「剣道教室」(駿河区豊田)

今回紹介するのは、豊田中学校等を稽古場とした新運館「剣道教室」です。
新運館は平成9年に土屋昌代先生が剣道教室としてスタートしました。
当初、幼稚園児4人からスタートした剣道教室も、今は3歳児から、小中学生を中心に高校生、一般の男性・女性まで、多くの方々が稽古に励んでます。
指導者を始め、スタッフ共に、女性が活躍している剣道教室です。

新運館は、毎週月・水・金・土、19時から21時に活動しています。

今年は、コロナ禍の中で、剣道も一時稽古ができない状況ではありましたが、感染予防に留意しながらの稽古が再開されました。

この日の小学生の稽古では、基本稽古「切り返し」を繰り返し行いました。

ゆっくりと左右面を打つ、面と胴を交互に打つ「大きく!」「正しく!」に気をつけ、繰り返し行います。そして、徐々にスピード上げていく。先生からは「足さばきに注意!」と頻繁に指導が入りました。

後半は、小学6年生、中高生、一般を対象とした稽古が始まります。

切り返し、面の打ち込み等の基本稽古の後、土屋先生はじめ有段者が元に立ち、地稽古を行います。白熱した稽古の中、隣の柔道場まで飛び出すほどの勢いのある様子も。

 

防具をつけられない子供たちには、上級生が防具のつけ方を教える。稽古後には、みんなで道場を掃除する。そんな当たり前の行動が自然にできる子供たちの姿が印象に残りました。

将来が楽しみな「きんのたまご」は、3歳から6歳の幼稚園児のクラスです。

稽古前、準備をする傍ら「鬼滅の刃」の影響もちらほらと・・・。

道場隣の別会場で19時からスタート。3名の女性スタッフが指導に当たります。

前半は「明るく」「楽しく」をモットーに、身体を動かす基礎「走る」「投げる」「跳ぶ」を身につけるため、子供達と一緒に走り回り、ボールを高く投げたり、跳んだり跳ねたりと、しっかりと身体を動かしながら、たくさん遊びます。

子供達に防具を触れさせて「防具は堅いでしょ?思いっきり打っても痛くないよ~」と先生。後半は大きな声を出しながら、先生の面をおもいっきり打ち込みます。約1時間の稽古が終わったあとは、今日も頑張ったご褒美として、自分の「剣道ファイル」にお気に入りの「シール」を一枚張ります。

このほか新運館では、毎年開催されている日本剣道形の県大会に向け、真剣に剣道形を学びます。今年は大会が中止となったため、日頃の鍛錬の成果を発揮する舞台を作ろうと、道場内で中学生の大会を開催しました。

大会は、審査員3名による採点方式と判定方式で、18名(9組)が参加しました。

会場内の張りつめた空気の中、緊張しながらも真剣な眼差しで取り組む姿、座礼からきちんと演武できる形、こうした姿からしっかりと稽古を積んでいる様子が伺えました。

決勝戦、審判員による判定で勝負が決まり、緊張した面持ちで最後の座礼を終えた瞬間、これまでの緊張の糸が解けたのか、これまでの思いがあふれたのか、思わず涙があふれてしまう生徒の姿に、会場の人たちも感動を抑えきれず、自然と拍手が沸いていました。

新運館では、生徒に寄り添い、強く、たくましく育てることを信条に指導しています。

その特徴として、土屋先生が描かれた挿絵とともに、「正しい剣道」「強くてやさしい人」を目指すための「剣道ファイル」があります。自分で決めた目標を達成するためには、どのようなことを心掛けていけばよいか。日常生活を始め、稽古、審査、大会等、自分自身と向き合える大切な一冊となっています。

また、月に一度発行される「さくら新聞」には「メンタルトレーニング」として、一流選手の様々なエピソードが紹介されています。生徒の興味を引き付けるエピソードに、「そうか!」と前向きになるお話が満載でした。

教室データ

稽古場所 静岡市立豊田中学校剣道場 他清水区内
稽古日 月曜日、水曜日、金曜日、土曜日 19時00分~21時00分
問合せ先 090-8420-0400 (代表 土屋昌代)
静岡市剣道連盟
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