全日本高齢者武道大会(寿A)優勝2連覇 寄稿文
私は図らずも昨年に続き、全日本高齢者大会に於いて本年も最高年齢の部(85歳以上)で優勝するという天機に恵まれました。無上の喜びと共に深い感謝の気持ちで一杯です。しかしながら私の中でそれにもまして喜び、感謝と共に誇れることは、県高齢者剣友会である素交会のメンバーで構成された静岡県チームが団体戦に於いて堂々準優勝の栄誉に輝けたことであります。これも絶えざる精進の賜であると思います。
私は10歳から剣道を始め、戦争やその後の生業の為のブランクもありましたが、それでも長い間剣道を続けてきた御褒美をこの歳になってから頂き、まこと感謝のほかには表す言葉が見つかりません。そんな私が先輩高齢者の立場から皆さんに言えます事は、「継続は力なり」の教えを決して疑うことなかれということです。今回の結果は、その教えを皆さんにそれなりにお伝えすることが出来たのでと密かに感じております。
私は生涯剣道を志しています。今の己より高きところを目指し、背筋を伸ばし、丹田に気を溜めて打つ事を常として日々精進しています。正しい呼吸、正しい姿勢の剣道は即ち正しい人の道であり、高齢者にとっては老化を防ぐ道でもあると考えます。
現在、私は後輩達に身を以てこの道を教え導き、後世へと繋げていくという使命と共に、高齢者がいつも元気で長生きして、生涯剣道の道を楽しく歩いていけることを心から望んでおります。88歳の私があと何年生きていけるかわかりませんが、体の続くうちは一生懸命皆さんと稽古をさせて頂き、生ある限り、次世代の方々の為に、その礎の一つとなりたいと願って止みません。
平成25年7月
静岡県剣道連盟参与・静岡市剣道連盟顧問・素交会代表 林 学